【不思議な話】縁薄い父が死後私に教えたこと

怪談・不思議

 こんにちは。前世占い師の立花破月です。今日は私の不思議なお話です。

 私の父はあまり子供にかまわない人でした。

 と言うより家庭を顧みず遊んでばかり。生活費は一円も入れず、借金を作ってばかり。

 貧困家庭で私高校に行けず、祖父が慌てて学費を用意してくれました。

 愛人は家に押しかけてくるし。離婚すればいいのに母親も一途でどうしようもない人でした。

 さてそんな父親だったのですが、若いころの放蕩が祟ったのか66才で死去。

 離婚してまた結婚して別居していた母が、孤独死しているのを発見したそうです。

 夏で4日経過していたのに、腐汁も出てなくて綺麗だと医師も驚いていたそうで。

 私は遠方なので葬式にもいきませんでした。裁判所に財産を引き継ぎませんと届けを出して終わり。

 父親が夢枕に立つと言うこともなく、日々は流れていきました。

ドライブ中にしないはずの香り

 ある日、私は家族とドライブをしていました。運転しているのは夫。

 近くに葬儀屋さんがあるのですが、信号でその葬儀屋さんの前に停止した時のことです。

 ものすごく強い白檀の匂いが漂ってきました。

 ですが、窓は締まっていますし外気取入れにもなっていません。

 まるで白檀の香水を直接嗅いだかのように強い香りが自分にまとわりついているように感じました。

「ねぇ、白檀の匂いしない?」

と家族に聞いても、首をかしげるばかり。家族には匂いがしないようです。

 その時、普段は思い出しもしない父親のことが頭をよぎりました。

「ああ。父親が成仏したのか」

 父親は自分が成仏したことを知らせるために、白檀の香りで教えてきたのでしょう。

 その時に頭の中にふとよぎったことがあります。

「遺骨は海に撒いてほしい」

 母親に電話して、父親が成仏したことと遺骨は海に撒いてほしいと言うことを伝えました。

 母は

「あなたのところに出てきたのか」

とポツリ

 するはずのない香りで縁薄い我が子に自分のことを知らせてきた父。

 少しは考えるところもあったのでしょうか。反省して来世は真っ当に生きてほしいものです。

 私としては白檀の香りがとても強かったのに、同じ車内にいる誰も匂いがしなかったことが衝撃でした。

 読んでいただいてありがとうございました

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