【不思議な話】白い手とガタガタ

怪談・不思議

 元前世占い師の立花破月です。今日は不思議な話。白い手。

 これはもう30年以上前のお話です。まだ私が高校の演劇部にいたころ。

 私の高校はお化けがよく出ました。その高校の隣にあった同窓会館(合宿ができる施設)が出ると噂がありました。

 当時私たちの部活は別名心霊学部。と言うよりオカルト部みたいな感じでした。

 私が前世を思い出したのもこの部でしたし、力が覚醒したのもこの時でした。

誰もいないから?夏でも寒い同窓会館

 同窓会館で夏休みに一泊二日の合宿を行うことになりました。鍵を開けて中に入るとひんやりとしています。

 私の故郷の夏は蒸し暑いんですが、同窓会間の中はカラッとしていて薄寒いくらい。エアコンはいらないなあと思ったのを覚えています。

 台所に荷物を置いて、買い出しに行くグルーブと部屋を軽く掃除と留守番する私に分かれました。

 私はリビングを掃除していたのですが、ふと奥の部屋が気になりました。

 雨戸がまだ閉まっていて暗い部屋には無意識に誰も近寄りません。オカルト部。みんななんとなく嫌なものを感じていたのかもしれませんね。

 6畳二間+20畳のリビング、台所と言う間取りでした。

 みんなが立ち入ろうとしなかったのは、隣り合った6畳2間。

 その6畳にふと興味がわいて、入ってみました。と覚えているのはここまで。

 次に記憶があるのは、その部屋の真ん中に倒れていた自分と、それを囲む畳に生えた無数の白い手がゆらゆらと揺れている姿。

 それを天井付近で見下ろしている記憶です。深海に沈んでいるような冷たさと重さを感じていました。

「・・・ヤバい。抜けて(幽体離脱して)る」

 と思った瞬間、体に戻りました。畳の上に倒れていますが、手は消えています。ホッとして立ち上がり、ワイワイとにぎやかになった台所に戻りました。

 みんなでご飯を食べた夕方片付けをしてリビングでいろいろ話していると、廊下とリビングを隔てる古いガラス戸や窓がガタガタとひとりでに揺れ始めました。

 ワイワイと盛り上がっていた部員たちがシーンとなります。

「地震?」

 ガラス窓しか揺れていません。みんな顔を見合わせて黙りました。

 それから結構長い時間揺れたガラス窓にみんな怖くなってしまい、リビングで固まって朝を迎えることになります。

 それを部活で泊まりに来なかった先輩に話したら

「あの場所にあんたたちが泊まるんだもの。何も起こらないはずないでしょう?」

 ・・・・。そうですね。先輩。

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